もう一つの未来

この頃、耳の事が会話に上ることが少なくなりました。

長女が「耳の手術はしない、柔道をやっていく」と決めた時から、私も聞くことが少なくなり、気持ちを確認するようなこともなくなったからだと思います。

今から7年前、新しく建ったばかりの小耳症クリニックで予約を入れられたときにはとてもホッとしました。
「これで娘の耳を作ってあげられるんだ」と安心と嬉しさに満ちた気持ちで帰ってきたことを、今でも最近の事のように覚えています。
「10歳の12月に入院して、手術するんだよ」と、まだまだ先の事と夢のように思ってきました。

しかし、今、10歳の12月です。
手術はしません。

小3で柔道を始める前に何度も話し合ってきました。
スポーツは別に柔道でなくてもよかったのでしょう。
でも本人のやってみたいという気持ちが強かったこと、エネルギーを持て余していたことが始めるきっかけとなりました。

ウチの場合は柔道というスポーツがたまたま合っていたようで、身体は健康になり、気持ちまでキラキラして本当に元気になりました。
それまでは「耳の手術があるから・・・」と他のスポーツも本気で打ち込むことを避けてきました。

でも、本気になってしまいました。

昨日、もう一度だけ気持ちを聞きたいと思い「耳、手術してもいいんだよ。また、数年先かもしれないけど予約とってくる?」と尋ねましたが「どうして?柔道をずっとやってくって決めたのに、なんで聞くの?」と迷惑そうな顔をされてしまいました。

組み合った相手から「キモッ!」とか指をさされて「耳の穴ないよ」など、私もそういう場面に遭遇してきました。きっと私には話さないけど、嫌な思いをしたことはたくさんあると思います。
しかし、直接言ってくる相手には「触ってみる?」とか「これは粘土で出来てるんだよ」など明るく返している娘を見て、私が悲しい顔をしたらダメなんだ・・・と勉強させられました。

もし、耳の手術を決めていたら、どんな小4だったのだろう。

どこか、捨てきれない手術への気持ちとは別に、娘の気持ちは柔道へ驀進中です。

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by 36kakatootosi | 2013-12-03 12:31 | 耳のこと