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父のベスパ

十代の頃、とても憧れたバイクがありました。

Vespa(ベスパ)です。

まだプルップルの十代☆オードリー・ヘプバーンに憧れた時期がありました。

国が違うから顔が違うということに気付かなかった若かりし頃。

ある日、父がどこからかあのVespaを調達してきました。

あの憧れのベスパ。すぐにでも乗ってみたかった。

しかし、あろうことか・・・もったいぶる父。

私が触ろうものなら「お前は乗れる免許もないし、ダメだ!触るな!」と威嚇されました。

そんな思い出から数十年たった最近。

「亮ちゃんに、お父さんが乗ってたベスパをあげたいんだ。取りに来れるか?」との電話。。

内心「やったー!私が乗りたかったあのバイクだ!」と喜んでいました。

が、


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「え?」

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「これベスパなの?」

父のベスパ_a0122144_22315716.jpg


「えぇー!!!」

いりません。

あの頃憧れたあのベスパの姿はどこにもなく、父によりカスタマイズされた木目調のシールやステッカーだらけの無残な姿。

鹿沼では時々面白シニアカーに乗っている方をお見かけします。カラービニールテープにより車をコーティングやお手製のプラスチック窓を取り付けている、とても目立つシニアカー。

それを見るたびに父を思い出していたのですが、ベスパには廃棄物だったであろう老人専用の手押し車の手押し部分を本体に穴を開けて針金で止めてあったり、謎の空き缶に「vsp」と書きタイヤ部分に取り付けるなど、、、不思議な物体に変身していたのでした。

特に木目シールは父のお気に入りアイテムで、私が幼少のころから家じゅうなんにでも木目を貼るので「いっそのこと眼鏡を木目っちゃえばいいじゃん!」と妹から言われていました。

一瞬にして、自分の父を思い出しました。

そうだ、こんな人だった・・・と。

それでも夫は「よっちゃんのお父さんがくれたんだから、きれいにして大事に乗るからね」と、ステッカーはがしから掃除をはじめています。

ピザやのステッカー、熊出没注意、『もう点数ありません、ごめんね』シールなどなど。

極めつけはガソリンではなく草刈り機で使用する混合オイルというもので走るということ。
(そこにも父の黄金比が書いて貼ってあった)


夢のベスパも数十年も経てば、こうなるのかーと、改めて父をよく知った日でした。


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by 36kakatootosi | 2012-06-17 22:54 |